やりきれない

近い将来、きっと誰かと結婚て、子供作って、慎ましくてもええから家族みんなが健康な、そんな当たり前の生活を送りたい。最近、僕らの年頃というのは、こんなことをよく妄想していると思う。たまに何となく思ったりする。

それが、ふと、壊されたらどうなるやろう。

ここ最近で一番、気になったニュース。出産途中に意識不明になった妊婦が、18病院をたらい回しにされ、6時間後に死亡したってやつ。

確かに医者は神様ではないから、助けられないこともある。神様のようにふるまっている野郎もおるかもしれんけど。けど、ひたむきに目の前の患者を助ける態度というのは必ず必要なのではないか。

記者会見での最初のコメントは「病院側に過失はありません。」だったらしい。これ、自分が妻を無くして、言われたたらどんなキモチになるやろうかと考えたらバイトの休憩室で泣きそうになった。

他にも、単なる失神だと判断し仮眠をとったり、CTも撮ろうとはしなかったらしい。もちろん、この病院だけのせいではない。奈良県では、危険度の高い母子の搬送先が県外となるのは、日常化となっていたらしい。ほんまに断られた理由は満床だけだったのか。懐疑的なってしまう。

以前から地方の産科医の不備に関しては問題になっていた。産科医不足の中で、当直回数を減らせるなど職場環境を改善し、お産の安全性も高めるとして国や学会は集約化を行っていた。しかし、当然ながら近場の医療機関からは産科がなくなっていく。病院が集積する都市部より地方在住の女性の方が、道中や自宅などで予定外に出産するリスクが4倍も高いという調査結果もある。集約化は交通の便のよい都市型モデルだ。

中央からの鶴の一声で決まるもんではない。各都道府県・各自治体が密に連携を取り合って。その地域独自のスタイルを確立しなければならない。国に必要なのは資金面でのバックアップだ。ただでさえ少子化だと騒いでいるのに、安心して子供を生めるシステムがない。社会の理解もないようだ。

どうにかできへんのかしらね。病院にとっては、たった一回の事件かもしれんし、次に活かそうと考えられるやろけど、

今回の被害者の人生は、これで大いに狂っただろう。