美しい国へ

内閣総理大臣となった安倍晋三小泉内閣の後を継ぐ人間は、どんなことを考えていてどのような価値観を持ち、どういった目標を掲げるのか気になったので購入してみた。

自民党サラブレットといこともあって頭の中は「保守」である。そういった印象を受けた。

現在、過去、未来についてこの国の歴史の在りかたを考える事、育まれてきたものを絶やすことなく伝えていくこと、そういった一言でまとめるならば「伝統」といったものについて意識をもち守っていこうと考えるのが「保守」だと思う。

大きくは自分の考えとずれていないと思う。本書の中でも拉致問題靖国問題天皇制などについて言及している。その内容は、簡単に言うと外圧に屈することなく経済制裁を行って人質を取り戻し、堂々と参拝し、日本の象徴として天皇を語っている。

といいつつも、これは日本の力では成し遂げられないという。アメリカの力が必要なのだと。最も重要なパートナーであると言い切る。「自分の国は自分で守る気概が必要」と述べる一方で、「米国の国際社会への影響力、経済力、経済力、そして世界最強の軍事力を考慮に入れると日米同盟はベストな選択だ」と述べている。

また、「アメリカの掲げる自由と民主主義を世界に広める事こそ、日本とアメリカが共に持つ目標」だとも言う。

この辺りになんとなく卑屈というか矛盾というか違和感を覚える。

安部総理の言う事はよく分かる。目標として掲げる理念は、納得できる部分が多い。そのために頑張ってほしいと思うし、自分も真剣に考えたい。ただ、納得いかないのは、外交も国内の政策もアメリカに隷属している現状に疑問を持っていない点だ。「官から民へ」のスローガンを推し進めたのは日本の意思ではない。あくまでアメリカの都合だ。そこから抜け出せていないように感じる。

アメリカ式の「自由と民主主義」を日本で広めることは、日本の伝統を犯すことにつながっているのではないだろうか。

もとを正せばアメリカは、大陸から渡ってきたピューリタン達が人工的に作り上げた国家である。大陸から渡ってくる、一人一人がそれぞれに夢を持ってアメリカに渡った。そのアメリカに必要なのは誰にでも成功する機会があるということだった。
日本は一つの民族が一つの島でずっとずっと長い年月を過ごしてきた国だ。みんなで一丸となって畑を耕したり、時には元寇から身を守ったりして、一つの地に長く長く住んできた。

アメリカのスタイルを日本に持ち込むのは、日本をばらばらにすることなのではないだろうか。

今日はちょっと色々考えたことを、言葉にしてみた。もっと簡潔に書けるようになります。

安部新総理の理念は悪くない。むしろ好感が持てる。期待してるから日本のために頑張ってほしい