8月を振り返って考えた



学生最後の8月も残すところあと一日。
まだまだ暑い日は続くものの、薄暗くなるのは少しずつ早くなり始めた。虫の鳴き声も夜になると聴こえ始める。


そんなこんなで8月の予定を全て終えた。人生最後の夏休みの半分が終了。残すところはあと一ヶ月。


日本の伝統や歴史、景観の素晴らしさ、食べ物の美味しさにいっぱい巡り合えた。
友達と喋ってて、あの頃の懐かしさを感じたり、長い未来に不安になったり、笑いまくったり、泣きそうになったり。
白浜・琵琶湖・富士山・松島・仙台・蔵王・山形・米沢・徳島・香川・愛媛・高知・京都・呉・宮島・広島。そして心斎橋・梅田・堺。


色んな場所へ、色んな人と行って、色んなものを食べた。ちなみにベスト3。
第一位:山形で食べた龍上海ってとこの「赤湯から味噌ラーメン」
第二位:香川で食べたうどん
第三位:宮島で食べたあなご飯

って感じ。次点としてダチョウのカツが載ったホワイトカレー


これは山形で食べたざるそば。


このくらいの歳になると、それぞれが固有の価値観を持っている。「人それぞれやん」という言葉が嫌い。そう言ってしまえば、極端な話、ずっと自分の五感でしかこの世の中を感じることができない。


日本は広い。世界はもっと広い。まだまだ見たことない風景や味わったことのない味、くさい匂い、聴いたことない音楽があるに決まってる。自分の知らないモノはこの世にはいっぱいある。どこまで欲深いのかと思われるかもしれんけど、全部自分で感じたいと思ってしまう。


でも常識で考えるとそれは無理な話。だから出来る限り見聞を広めるために新聞や本を読んだり、人と話したりする。感性と想像力に満ちた人の、音楽や映画や建築物を楽しむ。まだ行ったことのない土地へ足を運ぶ。そうやってちょっとずつ、「幅」を拡げていければと思う。


現在2006年。人間が文字を使い記録を取るようになってからはもう3000年近くになるだろうか。今日、この日までちょっとずつちょっとずつ蓄積されたものと、蓄積されてきたことに感謝。おかげでこの世の中は半端なく面白い。


自分が生まれて22年。あと生きれて60年〜くらいかな。長い歴史のほんのひとコマ。自分が生きてるときのこととか、これからの未来についてやっぱり気になる。歴史に参加したいっていう欲があると思う。


原爆ドームに行った。大学生になって2回目。ありがちやけど、戦中の人々に比べなんて自分はシアワセなんやと思った。あっつい日にクーラーつけて、買った食べ物残して、クルマで旅行に行ったりして。この今の自分の生活は戦前の人々の苦労と、戦中の人の犠牲と、戦後の人の努力で成りたっている。


自分は今まで、世の中になにかできただろうか。なにか発信できたか。受けてばっかりでなかったか。


呉に戦艦大和ミュージアムがある。そこに実際に大和に乗った隊員の証言を撮ったビデオと、特攻に行く若者が直前に心境を語った音声テープがある。「日本のために、子孫のために」という想いが半端なく伝わってきた。


去年、インドに行った時もそいえば似たようなこと思った。自分はたまたま日本に生まれてすごいラッキーだと。恵まれた環境を精一杯活かさなきゃと考えた。でもそうやって考えて動いた結果もどうやら自己満足としか思えない。所詮、湧き出てくる欲を満たすためだけだった。


矛盾するやろうけど、後悔しているわけでもない。昨日まで高校の友人と広島へ行ってたが、過去を振り返りながらの旅行で楽しかった。今年の夏遊びきったことも、いつかは思い出話となって、懐かしむんだろう。年老いたときに、いろんな経験を子供たちに話す事ができて、友人と思い出を語りつつ美味しいものを食べ、また旅行にでも行ければ、それはなんてシアワセなことやろうと思う。


味わい深い人間になりたいもんだ。